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Web IRサービスの選び方

IR(Investor Relations)サイトの更新にお悩みではありませんか? 企業の信頼の証であり、投資家や株主からの支援を得続けるためのディスクロージャーにおいて、ますますWebサイトを使ったIR活動の重要性は増しています。ここでは、コーポレートサイトをリニューアルするタイミング等でIRの更新フローやセキュリティの見直すことがあった場合に、自社に最適なWeb IRサービスを選ぶポイントについて解説します。

IRサービス

目次

Web IRサービスとは

金融商品取引法におけるディスクロージャー制度(企業内容等開示制度)に則り、WebサイトでのIR情報発信には情報管理の厳格性、正確性と公平性、適時性が求められます。以前は、公開日には担当者はPCの前から離れられないとか、担当者が休みだと公開できないといった状況もありました。また、某企業では間違って早くWeb配信する “事故”が起きてしまい、東証の公開時間を早めて対応したというケースもありました。こうした”事故”はすぐさまネットニュースに流れてしまうため、企業の信頼にも大きく影響してしまいます。

現在は、ディスクロージャーの専門企業からIRに特化したWebサービスが各種提供されており、導入する企業が増えています。基本機能は、証券取引所TDnetや金融庁EDINETと連動させ、それぞれに提出した法定開示情報(PDF)を自動的に自社のIRサイトに反映させることができるというサービスです。

どんなサービスがあるの?

実際に、どんなサービスがあるのでしょうか。更新支援ツールとして導入可能なサービスとして、主なものをご紹介します。

プロネクサス「E-IR」

最もよく知られているWeb IR サービスは、プロネクサスが提供している「E-IR」です。決算短信や有価証券報告書など、決して開示ミスができない書類を自動更新してくれる機能があります。決算ハイライトグラフの更新も、決算短信の数値情報をもとに自動化できます。

また、ニュースリリースや決算説明会の資料など、自動更新できない書類はCMSを使って更新の手間を簡略化することができます。

なお「E-IR」はサブスクリプション(定額)方式で提供されており、必要な機能に応じた月額課金でサービスを利用することができます。

E-IR

マジカルポケット「IRポケット」

マジカルポケットは、IRならではのサイトの作り方、見せ方のノウハウを持ち、コンサルティング業務も行なっているIRサイト専業の会社です。IRに特化した自動更新CMS「IRポケット」のほか、IR動画サービス「IR説明会動画配信」、IRメール配信「マジカルメール」などのサービスもあります。

マジカルポケット

宝印刷「XJ-Storage」

証券印刷で長い実績を持つ宝印刷もWebソリューションに進出しています。「XJ-Storage」は安全で正確な即時開示ができる運営システムに重点が置かれています。充実した機能を持ち、IRサイトにリッチコンテンツをも盛り込むこともでき、オプションでつけるかつけないかを自在に選択することができます。

XJ-Storage

野村インベスター・ソリューションズ「ShareWith」

比較的最近登場したものでは「ShareWith」を導入する企業も増えています。IR専業ではないので「IRサイトにも強いコーポレートサイトCMS」と銘打ったサービスです。スマートフォン対応や、管理画面などのシンプル設計をセールスポイントとしています。

ShareWith

WebIRサービスの種類

Web IRサービス選択のポイント

他社のIRサイトがどのWeb IRサービスを採用しているかは、案外簡単に知ることができます。「業績ハイライト」や「財務ハイライト」などのページで、グラフをシステムで出力しているサイトはだいたいいずれかのWeb IRサービスを採用しており、ページの下に「supported by XXXX」といったサービス名が表示されています。高評価を得ているIRサイトをチェックしてみて、自社のIRサイトにも欲しい機能を具体的にイメージしてみるとよいでしょう。

運用のしやすさを重視した選択を

コーポレートサイト全体計画の中で、どのくらいIRサイトを充実させたいか、どのような運営体制を取るかによって、IRツールの導入の仕方も違ってきます。いずれにしても上場企業にとってIR情報の発信は必須であり、事業環境にも変化がつきものなので、Web IRサービスは構築時よりも、のちのちの可変性や拡張性、担当者にとっての運用のしやすさを重視して選ぶことが大切です。

導入する際は…

Web IRサービスを提供している業者は、そのサービスに特化した業者であり、Webサイト全体の立ち上げやコンサルティングに長けているところはありません。そのため、Webサイト全体をリニューアルするタイミングでWeb IRサービスを導入する際は、Web制作会社にRFPを提出するタイミングで、そうしたWeb IRサービスの導入を検討していることを伝えておけば、そのWeb制作会社と相性の良い業者を選んで提案をしてくれるので、おすすめです。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。

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