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CMS比較 種類・選定の基準・代表的なCMSを解説

現在、市場には800を超えるCMSが存在します。これだけの数があると、何に注目すればいいのか分からず、CMSの選定には一苦労しますよね。

この記事は、CMSの導入実績を数多く持つITRA株式会社が、CMSの種類、選定の基準、代表的なCMSの概要の順に、自社に最適なCMSを選ぶ手助けとなる情報を掲載しています。約10分程度で読める内容ですので、CMSの選定についてお困りの方はぜひ一度目を通してみてください。

cms比較

目次

CMSとは

CMSとはコンテンツマネジメントシステム(Content Management System)の略称で、誰でも簡単にWebサイトやコンテンツを作成し、管理・運営ができるシステムのことです。

本来Webサイトを作成するにはHTMLやCSSなどの言語を使用し、Webサイト作成後の管理・運営も専門的な知識を要しますが、CMSを導入することでそれらの学習コストを大幅に削減することができます。

CMSの種類

CMSは、大きく分けて「オープンソース型」「パッケージ型」「クラウド型」の3種類に分類されます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、CMSを選定する際には知っておくべきポイントです。

オープンソース型

ソースコードが公開されているCMSをオープンソース型CMSと言います。利用・改変・再配布を誰でも自由に行えるのがオープンソース型の特徴で、様々なテンプレートやカスタマイズ、拡張機能が存在します。オープンソース型CMSはその自由度の高さから利用者数も非常に多いです。特に「WordPress」で構築したWebページは、インターネット上にあるWebページの約35.6%を占めています。

代表的なオープンソース型CMS:WordPress Joomla! Drupal

メリット

1.自由度が高い

ソースコードが公開されているため、専門知識があれば好きなようにカスタマイズが可能です。専門知識の無い初心者であっても、以下に記載する「バージョンアップ」と「拡張機能」の点で、自由度の高さの恩恵を受けることができます。

2.頻繁にバージョンアップが行われる

ソースコードが公開されていて、尚且つ利用者数が多いため、高いスキルを持ったユーザーからのフィードバックが世界中から集まります。CMSの脆弱性などの問題点を発見してから修正するまでのサイクルが利用者とエンジニアの間で確立されているため、バージョンアップの頻度が高いです。

3.様々な無料の拡張機能が存在する

豊富な拡張機能はオープンソース型ならではのメリットです。高いスキルを持ったユーザーが、便利な機能を持った独自の拡張機能を開発し、公開しています。拡張機能の追加自体は専門知識を要さないため、初心者であっても既にあるものを利用する形あれば自力でカスタマイズが可能です。

4.ライセンス費用がかからず、初期費用を抑えられる

無償のオープンソース型CMSであれば、ライセンス費用がかかりません。しかし、Webサイトの構築や運用・保守は別で費用がかかるため、中長期的に見た際に想像以上にコストがかかる可能性も十分あります。

コスト増大の可能性

デメリット

1.ベンダーからのサポートが受けられない

オープンソース型CMSは、その自由度の高さと引き換えに「自己責任」という言葉がついて回ります。ベンダーからのサポートが受けられないため、CMSの導入から構築、保守、トラブルなどの緊急対応を自力で行わなければなりません。ユーザー数が多いため、コミュニティの掲示板を利用するなどして問題解決を図ることもできますが、欲しい情報が正確に手に入るとも限らないため、社内で対応しきれない部分は外部に委託する必要があります。

2.セキュリティ

ソースコードが公開されていることを利用した攻撃を受けやすく、オープンソース型CMSのセキュリティは度々問題視されます。拡張機能についても同様にセキュリティ脆弱性を含んだものが存在しているため、導入の際には細心の注意を払わなければなりません。セキュリティソフト導入などの対策は必須です。同じく社内で対応できなければ、外部委託も視野にいれましょう。

3.結果的にコストが膨らむ可能性がある

上記の理由から、最終的に高額な費用がかかる可能性があります。オープンソース型CMSを導入する場合には、専門知識を持った人材が必要になるケースがほとんどです。価格を重視してCMSを選定する際は、中長期でのWebサイト運用を必ず想定しましょう。

パッケージ型

ベンダーが開発したライセンスを購入し、自社のサーバーにインストールして使用するCMSをパッケージ型CMSと言います。企業での使用を想定しているパッケージ型CMSは、Webサイト運用に必要な基本機能が最初から備わっているため、カスタマイズをすることなく様々な機能を利用できます。また、ベンダーからのサポートが手厚く、他の型のCMSに比べてCMSの導入やWebサイト運用、トラブル対応をスムーズに行えるのが特徴です。

代表的なパッケージ型CMS:Movable Type

メリット

1.ベンダーのサポートが手厚い

パッケージ型CMSは、ベンダーの手厚いサポートが魅力の1つです。専門知識が無くても、CMSの導入からWebサイトの運用までを安心安全に行うことができます。選定の際は、ベンダーからどのようなサポートを受けられるかを比較してみるのも良いでしょう。

2.企業での運用に必要な機能が備わっている

パッケージ型CMSのほとんどは、企業向けに開発されています。Webサイト管理者の権限設定や承認機能など、企業で運用するうえで便利な機能が多く含まれているため、効率的なWebサイト運用が実現できます。

多機能

デメリット

1.大きなコストがかかる

初期費用やライセンス利用料などがかかるため、パッケージ型CMSの導入には大きなコストがかかります。また、拡張機能の導入など、カスタマイズに併せて追加のコストがかかる場合が多いです。コストに見合う分のサポートが受けられそうか、またWebサイト運用を効率化できそうかが選定のポイントとなります。

2.サポートの水準にばらつきがある

パッケージ型CMSのメリットとして挙げたサポートですが、各社によってサポートの水準にばらつきがあるという点に注意が必要です。コストと同時にサポート範囲や保守運用範囲を比較して、自社に最適なCMSを選定しましょう。

クラウド型

クラウド型CMSの大きな特徴は、CMSのインストールが不要で、インターネット環境とブラウザさえあれば利用ができる点です。システムやデータをCMSを提供するベンダーが管理するサーバーに保管することで、インターネット経由での利用を可能にしています。

メリット

1.初期費用を抑え、素早く導入できる。

クラウド型CMSは、月額性や従量課金制をとっているため、導入の負担が大きくなりにくいです。また、サーバーやソフトウェアの設定をする必要がないため、素早くCMSを導入できます。CMSの導入からWebサイトの運用までのスピードを重視する場合は、クラウド型CMSを検討してみると良いでしょう。

2.スペックの柔軟な変更

クラウド型CMSは、購入後にスペックの変更が可能なものがあります。アクセスの多い時期だけスペックを上げ、アクセスが落ち着いたらスペックを戻すなど、柔軟な対応ができるため、コストを最小限に抑えることができます。

3.バージョンアップ・セキュリティ対策を任せられる

クラウド型CMSは、バージョンアップを自動的に行うことができます。逐一バージョンアップ作業を行わなくとも、常に最新の環境で利用できるのは効率的です。またセキュリティについても、ベンダー側で必要最低限のセキュリティ対策を行うため、コストやリソースを削減できます。

セキュリティ対策

デメリット

1.自由度が低い

機能が固定化されているため、オープンソース型とパッケージ型に比べて自由度が低いです。カスタマイズを前提にしているのであれば、クラウド型CMSは扱いずらいでしょう。

2.トラブル対応がベンダーに依存している

システムやサーバーにトラブルが生じた際、クラウド型CMSの性質上、ユーザー側でできることが限られているという大きなデメリットがあります。トラブルが生じてもWebサイトを運用できるような対策をしておかないと、企業として損失を被る可能性があるので注意しましょう。

CMSの選び方

3種類のCMSにどのような特徴があるのか、ご理解いただけたでしょうか。CMSの種類が分かっても、どのCMSが自社に最適なのかイメージがつきづらいかと思います。CMSの選定の際には、以下の3項目に注目してみてください。

実績

実績面では、自社と類似のサイトや管理体制(運用人数など)の実績があるかを確認しましょう。これによって、機能の有無だけでは判断できない、使い勝手の良し悪しなども知ることができます。

機能

機能については、特定の業界に特化したような製品からアクセシビリティなど個別の機能に強みを持つものまで様々にありますので、必要な機能の優先順位を決め、選定を進めるのがおすすめです。

価格

価格に関しては、無料で使えるものから高価な製品まで幅広い選択肢があります。また、CMSのコストは、製品のライセンスなど使用料の他に、導入に係る構築費用なども考慮して、自社の予算に合うかどうかを検討する必要があります。

続いて、代表的なCMSの基本的な情報を紹介します。

WordPress

オープンソースCMSの代表格がWordPressです。システムの利用自体は無料である上、膨大な数のテンプレートやプラグインが公開されているため、個人利用からビジネスユースまで高いシェアを誇っています。

利用方法をわかりやすく解説している有志のサイトも多く、簡単な操作で導入可能なプラグインを使用すれば、あらゆる機能を取り込めるため、初心者にも人気のあるCMSです。

しかし、その分、デメリットもあります。アクセスのたびにプログラムが起動してページを書き出す方式(動的ページ生成と呼びます)が採用されているため、動作が重くなりやすく、アクセス集中に弱いです。また、オープンソースで世界シェアが高いため、サイバー犯罪者に標的にされやすいという、セキュリティ面の危険性があります。WordPress導入後は常に最新バージョンにアップデートするなど、自己防衛が必要です。

Movable Type(PowerCMS)

ベンダー(シックスアパート)が開発し、有償提供しているパッケージ型CMSです。元はブログツールからスタートしましたが、プロモーションや機能強化を経て、人気のCMSとなりました。数種類のエディションがありますが、ライセンス料は数万円〜数十万円と安価な部類のCMSになります。

Movable TypeとWordPressでは、システムの設計がかなり違います。安全性を高め、サーバー攻撃に遭いにくくする仕組みとして、プログラムの置き場所とコンテンツ出力先のURLをバラバラに設定できたり、Webページのソースコードを見てもMovable Typeを使用しているか判別できないようにできたりします。

また静的ページ生成を行えるため、アクセスが集中した時もWebページを素早く表示することができるので、システムへの耐障害性が高いこともMovable Typeの特徴の1つです。

Movable Typeに必要な機能を追加して、さらに高度な商用CMSとして開発されたCMSがPowerCMSです。ユーザー権限や公開権限の設定や、大量のコンテンツの管理を容易にする仕組み、問い合わせフォームの作成など、企業の運用に合わせた柔軟なカスタマイズができます。

ALAYA

WordPressやMovable Typeがブログツールをベースに発展したのに対し、最初からCMSとして開発され、Webサイト管理のための豊富な機能と高い性能を有したCMSがあります。その代表格がCMS ALAYA(アラヤ)です。

高いセキュリティや、数万ページ単位の大規模サイトの管理運用に特化した性能を備え、中央官庁や地方自治体、大手企業を中心に採用されており、SaaS型CMSではトップシェアを占めています(「ITR MARKET VIEW CMS市場2016」より)。

国産CMSの筆頭でもあり、アクセシビリティJISへの対応など、国内事情に強いのはもちろん、ベンダー(彼方)によるカスタマイズ開発やサポートも充実しているのが特長です。

その分、他のCMSに比べると価格は高く、導入には数百万円以上の費用がかかりますが、それだけのメリットが認められているCMSとも言うことができます。

Joomla!

Joomla!は、日本での知名度は他のCMSに比べるとあまり高くないですが、海外では高い人気を誇っている無料のオープンソース型CMSです。デザイン性・カスタマイズ性が高く、Webサイト制作の幅が広いというオープンソース型ならではの特徴があります。同じオープンソース型CMSのWordPressと比較されることがありますが、Joomla!は規模の大きいWebサイトを構築することに向いています。

Joomla!に携わる技術者が多いため、ソフトウェアに問題が生じてもその都度アップデートが行われているので、セキュリティ面も申し分ありません。 政府機関や企業など、法人団体への導入実績が多いことからわかるように、信頼度の高さも強みです。

プラットフォームに少し使いづらさがあるので、慣れるまでに時間がかかるところが欠点ですが、使いこなせるようになれば大きなアドバンテージが見込めるCMSだといえます。

Drupal

Drupalは、世界中で高く評価されているオープンソース型CMSです。WordPressやJoomla!と同じく無料で導入できます。基本部分と追加拡張部分の2つで構成されているので、自分が制作したいWebサイトに合った機能を追加しながら使用できるという特徴を持つ、臨機応変な対応が可能なCMSです。

また、Drupalが世界中で評価されている理由の1つに約100種類の言語に標準で対応しているという点が挙げられます。グローバル展開をする企業は、言語変更のコストが大幅に削減できるので、ぜひ利用したいCMSです。また、拡張の際の安全性も確保されているため、Joomla!と同様に規模の大きいWebサイトを構築することに向いています。

他のCMSに比べ公開されている情報が少ないため、Webサイト構築の難易度は高めですが、それに見合っただけのクオリティを保証できるCMSです。

ECサイト構築サービス

EC(電子商取引)サイトを制作する場合は、ECサイト構築サービスを利用することを推奨します。ECサイト構築サービスは、海外の通貨や税率への対応や、売り上げ分析など、ECを効率的に行う便利な機能が備わっており、個人から法人まで幅広いユーザーが利用しています。

以下の記事で代表的なECサイト構築サービスの「shopify」「EC-CUBE」「Makeshop」について特徴を紹介しているので、興味がある方はぜひご覧ください。

まとめ

ここで紹介したもの以外にも、多くの種類のCMSが存在します。 Webサイトの規模・制作目的・資金や、求める機能・性能をハッキリさせて、その時の状況に合ったCMSを選びましょう。

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この記事の著者

itra
ITRA株式会社

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