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Adobe Flash Playerが2020年末にサポート終了!正しい移行方法と代替案

かつてWebサイトのリッチコンテンツの代表的技術であったAdobe Flash Playerがいよいよ、2020年末をもってサポート終了となります。Adobe Flash自体は近年使用を回避されていた技術で、最近Web業界に携わるようになった方の中にも、名前こそ聞いたことはあるけれど詳細はよくわからない、という方も増えてきています。ただ、古いWebサイトでは、まだAdobe Flash Playerを用いてグラフィックや動画を再現しているケースも少なくありません。今回はサポートが終了する背景や、まだAdobe Flash Playerを使用しているコンテンツの代替案と移行方法をご紹介いたします。

FLASH

目次

Adobe Flashとは

Adobe Flashとはアドビシステム社(以下アドビ社)が開発した、インターネットを介してアニメーションやアプリケーションを動的に表示・操作をすることができるWebブラウザ向けの拡張機能を主としたソフトウェア、及びそのファイルを指します。WebサイトでこのFlashコンテンツを表示する際には、アドビシステムが提供するFlash Playerをインストールする必要があります。

Adobe Flash Playerは無料で利用することができ、1996年に最初のAdobe Flash Playerがリリースされてから、長期にわたって多くのユーザーが利用していました。2013年に新しいバージョンを公開した際には、公開から6週間以内に世界の4億台以上のPCがアップデートを行ったというデータもあるほど人気を博したソフトウェアです。

Adobe Flash Playerがサポートを終了する背景

しかし、そんな一世を風靡したAdobe Flash Playerですが、ブラウザやHTMLの技術の進化、PCからスマートフォンへの変化、セキュリティ面の重大な脆弱性の発見によって徐々に使用されなくなり、アドビ社は2020年末をもってAdobe Flash Playerのサポートを終了することを公式に発表しました。翻訳した文章を一部抜粋します。

Apple、Facebook、Google、Microsoft、Mozillaを含むいくつかのテクノロジーパートナーと協力して、AdobeはFlashの廃止を計画しています。具体的には、2020年末にAdobe Flash Playerの新規の提供とアップデートを停止し、既存のFlashコンテンツを新しいオープンフォーマットに移行することを推奨していきます。

https://theblog.adobe.com/adobe-flash-update/

このようにアドビ社は大手IT企業とも協力しながら、Flash廃止に向けて計画を推し進めています。 では、サポート終了となった背景について詳しくみていきましょう。

パフォーマンスの悪さ

まずは、他の代替技術に比べてパフォーマンスが悪いという点が挙げられます。パフォーマンスとは、ここではコンテンツの反応速度や表示速度を指します。

Adobe Flash Playerは高度なアニメーションを表示することが可能ですが、データ容量が重くなる傾向があります。そのため、Adobe Flash Playerのコンテンツそのものやコンテンツを設置しているページの反応速度や表示時間が長くなってしまうのです。

SEOの基本的な考え方ですが、「表示速度の速さ」は、ユーザーに役立つWebサイトの基準の1つとして挙げられています。動画再生やグラフィックがより簡易的に表現できる代替の技術が進歩してきた近年では、Webサイトの表示速度に影響を及ぼしてしまうAdobe Flash Playerは、時代とともにこの基準を満たさなくなりました。

スマホでフラッシュは禁止に

セキュリティの脆弱性

2点目は、Flash Playerのセキュリティの脆弱性が深刻だった点です。2015年頃、侵入が容易であるセキュリティホールがFlashに見つかり、DoS攻撃やクロスサイトスクリプティング(XSS)の格好の的になっていることが発覚します。それ以来アドビ社もセキュリティアップデートを何度も行いましたが、深刻なセキュリティホールが見つかっては更新され、見つかっては更新され...という流れが頻繁に発生し、Flashコンテンツを組み込むディベロッパーを困惑させる大きな原因となってしまいました。 最近になってもまだFlash Playerのバージョンアップを装ったマルウェア(不正ソフトウェア)が発見されたりするなど、多くのハッカーがFlashを狙って攻撃を仕掛けているという不安定な状態が続いています。

また、日本のIPA(情報処理推進機構)でもAdobe Flash Playerについて以下のように注意喚起を行われています。

アドビシステムズ社から Adobe Flash Player に関する脆弱性が公表(APSB19-46)されています。 アドビシステムズ社からは、「過去に攻撃リスクが高いとされたことのある脆弱性」としてアナウンスがされているため、早急に修正プログラムを適用して下さい。

https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20190911-adobeflashplayer.html

HTML5の登場

3点目は、HTML5の登場です。HTML5は2014年に勧告されたマークアップ言語ですが、動画再生が可能なvideoタグや、JavaScriptと併用することで高度なグラフィックを表示することができるcanvasタグなど、リッチコンテンツにも対応が可能です。SEOの観点、またディベロッパーにとっても開発がしやすいという点からHTML5は爆発的に広がったため、Flashの利用率も下がっていきました。

スマートフォンでは最初から非表示

4点目は、現在ほとんどのスマートフォンにおいて、Flashコンテンツはすでに非表示になっているという点です。特に対応が早かったのはAppleでした。Appleは「重くて閲覧のしにくいWebサイトは、ユーザーの役に立たない」という考えから、iPhoneでは発売初期からFlashを拒否するようにしていたのです。

これに追随するように、Andoroidやタブレット用ブラウザもFlash対応をしなくなり、Flashコンテンツが埋め込まれている部分は余白さえ表示されないようになっていきました。一世を風靡したFlashPlayerはモバイルの時代についていくことができず、スマートフォンでは表示すら許されないソフトウェアとなってしまったのです。

HTML5などオープンテクノロジーで代替する

Flashで実装していた機能は、HTML5などのオープンな標準技術でほぼ同じことが実現できます。Adobe自身のオーサリングソフトもFlash ProfessiolnalからAnimate CCに改名され、HTML5とJavaScriptで制作するツールに変わっています。セキュリティ技術者を悩ませてきたFlashのすみやかな幕引きに、ぜひご協力ください。

Adobe Flash Player終了までの流れ

Adobe Flash Playerのサポートが終了することによって影響を最も大きく受けるのは、ゲームや教育、動画関連のWebサイトですが、長く運営を続けている企業のWebサイトにもAdobe Flashで作られたコンテンツが残っているケースが見受けられます。こういったWebサイトは早急に脱Flash化を行う必要があります。

アドビ社はAdobe Flash Playerのサポート終了、ならびにAdobe Flash Playerのアップデートの停止を2020年末と定めていますが、すでに存在しているFlashコンテンツに関しては存在し続けます。この残ったFlashコンテンツを表示するかどうかはブラウザやOSを提供する企業に委ねられており、企業によって対応が異なっているので注意が必要です。たとえばGoogle Chromeでは、

2017年9月:Prefer HTML over Flashフラグの削除

2017年10月:Flash Playerモードオプションから「常に許可する」を削除

2018年7月:ブラウザを再起動するたびにFlash実行許可を要求

2019年7月:Flashをデフォルトで無効化

2020年12月:Flash機能を削除

という様に、Flash廃止までの段階的なロードマップが発表されています。

また、マイクロソフトも2020年12月31日をもって、Windows Upddateを通してすべてのブラウザからFlashを削除する方針を発表しています。

脱Flash化の流れは2010年頃から始まっており、すでにFlashコンテンツには警告が出たり、表示できないブラウザが大半を占めています。Flashコンテンツをまだ使用している企業は、早めの代替技術の導入をおすすめします。

Adobe Flash Playerの代替・HTML5への移行方法

Adobe Flash Playerの代替として圧倒的に有力なものは、先ほどもご紹介したHTML5です。Flashで実装していた機能は、HTML5でほぼ同じことが実現できます。

また、アドビ社はFlashコンテンツをHTML5で代用するよう声明発表を行ったり、動画やゲームのオーサリングソフトのFlash ProfessiolnalもAnimate CCに改名、HTML5とJavaScriptで制作するツールに変えるなど、アドビ社自身も積極的にHTML5を取り入れる動きを行っています。

では、Flashコンテンツが残っているWebサイト管理者は、どのようにFlashへの対応を行っていけば良いのでしょうか。

検索エンジンを使用してFlashを使用しているか確認する

まず、Web担当者だった場合、自社のWebサイト上でFlashを利用していないかを洗い出す必要があります。ただ、ページが大量にある場合、1ページずつ確認するのは骨が折れますよね。

Flashコンテンツを使用しているWebサイトには、必ずswfファイルが存在します。この性質を生かし、検索エンジンを用いてWebサイト内に拡張子がFlashを表すswfとなっているファイルを検索することで、Flashコンテンツを確認することが可能です。

たとえばGoogleの検索であれば、拡張子を絞った検索ができるfiletypeという命令と検索対象のサイトを限定するsiteという命令を組み合わせて、

filetype:swf site:www.my-site.co.jp

と検索することで、自分のサイトに見られる状態でFlashファイルが置いてあるようであれば、容易に見つけることができます。

この方法でどうしてもFlashコンテンツ(swfファイル)が見つからなかった場合には、Webサイトを管理しているサイト構成表等を確認してみると良いでしょう。

Flashコンテンツを変換

Flashコンテンツが見つかったら、該当のFlashコンテンツをHTML5へと変換する作業が必要です。

基本的には以下の流れになります。

  1. 変換ソフトのダウンロード
  2. FlashコンテンツをHTML5に変換
  3. HTML5に変換したコンテンツをWebページに組み込む


変換ソフトについては無償版から有料版まで、さまざまなサービスがあります。コンテンツの形式に合わせた変換ソフトをダウンロードしてください。ダウンロード後は指示に従いながらHTML5形式に変更をしてください。

手順3のHTML5に変換したコンテンツをWebページに組み込む作業は、少なくともHTMLのコードを読むことができる必要があります。無理やり変換したコンテンツを挿入してしまうとエラーなどの原因になりますので、制作会社やWebに知見のある方にご依頼することを強くおすすめします。

まとめ

Flashは、間違いなく2020年末をもってサポートが終了いたします。いまだにFlashを放置している企業は、時代に沿わない技術を使用しているという目で見られ、信頼を損ねることにつながる重大な局面になっています。Flashコンテンツを使用しているサイトの管理者の方は、サポートが終了する前に脱Flash化をすることをおすすめします。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

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