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【オンライン研修】効果的なアンケートの作成方法、媒体ごとのメリット・デメリットご紹介

研修ではいかに受講者に伝えたいことを伝えられるかが大事です。研修における受講者の満足度や理解度を把握する手段として、アンケートが多く用いられています。コロナによりオンライン研修が浸透しつつある現在、実際の受講者のリアルな感想を得られるという点で、アンケートの重要度は増しています。今回はオンライン研修後に実施されるアンケートについて、効果的な実施方法や紙アンケートとWebアンケートのメリット・デメリットについて紹介します。

questionnaire

目次

研修後アンケートの重要性

研修後のアンケートは重要なのでしょうか。ここではアンケートの重要性について解説していきます。

受講者の理解度を把握することができる

研修後ごとに受講者の研修に対する理解度を把握することができます。研修の開催者側は受講者の理解度や習熟度を把握し、受講者に適切なレベルの研修を準備することで、受講者に効果的な研修を提供できます。オンラインのアンケートを使用することで、受講者ごとの研修に対する理解度や難易度などを定量的なデータとして保存することができます。習熟度・理解度を把握する方法として研修後に習熟度テストを提示することもできますが、主催者側・受講者側共に多少の負担が強いられます。両者への負担を深く考慮し、研修のタイプに応じてアンケートとテストを適宜選択しましょう。

研修に対する客観的なフィードバックを得られる

アンケートは受講者の実際の感想を得ることができるため、主催者側にとって今後の研修を考える上で貴重な情報です。アンケートを行わず、主催者側が研修を開催してしまうと、受講者の声が反映されず、一方通行な研修になってしまいます。主催者は研修の都度受講者の声に耳を傾け、適宜修正することでより良い研修を実施することができます。また、研修に対する潜在的な課題発見にも繋がりますので、是非研修後はアンケートを通して受講者の意見に目を通しましょう。

受講者に研修を振り返る機会を作ることができる

アンケートの設問を投げかけることで、受講者は研修で興味のあった箇所や理解ができなかったところなど、自身の中で研修を振り返ることができます。いくら良い研修でもただ受講して終わりでは良い効果は望めません。アンケートを受講者に記入してもらうことで、受講者はその日の研修の内容を頭に思い浮かべるので、簡易的な復習へと繋がります。研修ごとに振り返りを兼ねたアンケートの実施は、研修終わりの1つの区切りとして適しています。

カークパトリックの4段階評価法

カークパトリックの4段階手法とは教育研修を評価する方法の1つで、アメリカの経営学者カークパトリック氏によって1995年に提唱されました。

この研修評価モデルを参考にしながらアンケートを作成することで、より正統性のある調査を行うことができます。是非、参考にしてください。

カークパトリックの4段階評価法は、「反応」「学習」「行動」「結果」という4つの尺度を用いて研修を総合的に評価します。段階が進むにつれ評価の手間や時間など評価の難易度が高くなっていきます。

以下では段階ごとの評価方法について紹介していきます。

Level1.反応
受講者の反応を評価します。 一般的に受講者にヒアリングやアンケートを通して、研修の満足度を調査することが挙げられます。

Level2.学習
受講者の学習度を評価します。 受講者が研修でどのようなことを得られたか、どのくらい理解することができたかを調査し、受講者の理解度や習熟度を測定します。一般的に、「研修後の2〜3ヶ月後に評価を実施するのが望ましい」とされています。(D.L. Kirkpatrick,2006 : 54)

Level3.行動
受講者の行動変化を評価します。 本人もしくは上司などの受講者に関連のある人物にヒアリングを行い、研修後に受講者の行動がどのように変化したかを評価します。調査を開始するタイミングは、研修後から半年など研修に応じて調整しましょう。

Level4.結果
受講者自身が企業など所属する団体に及ぼした影響を評価します。 受講者による企業の業績向上を評価する段階であり、4段階の内この「結果」が最も評価の難易度が高いです。個人の貢献度と業績の因果関係を証明することは非常に難しく、カークパトリック本人も「証明できずとも満足すべき」と明示しています。(Be satisfied with evidence if proof is not possible)」(Kirk国際交流基金 日本語教育紀要 第4号(2008年) 88 patrick 2006 : 65)

Webアンケートのメリット

研修後に実施するアンケートのメリットとは何なのでしょうか。従来多く採用されていた紙アンケートと比較しながら、Webアンケートのメリットを紹介していきます。

コストパフォーマンスが高い

Webアンケートは作成から回収まで手軽に行うことができ、コスト面で非常に優秀なツールです。紙のアンケートでは、作成→配布→回収を各自手作業で行わなければならず、時間とコストを要します。一方、Webアンケートは特定のアプリケーションやサービスを使用することで作成→配布を一瞬で行うことができます。また、回収も自動で行われるため、回収の手間が大幅に削減できます。

アンケートの回収率、記述率が高い

紙アンケートと比較しWebアンケートはアンケートの回収率が高いです。紙アンケートでは回答欄が空白の場合でも提出することができ、苦労して回収してもデータとして意味のないものが多くあります。一方、Webアンケートであれば、空欄のままでは提出できないような制限をかけたり、アンケートの回答をオンライン研修における出席の条件にするなどの機能を追加することができます。回収率、記述率どちらを考慮してもWebアンケートが最適であると言えます。

データの活用が簡単に行える

Webアンケートの集計結果は直接デジタルデータとして使用できるため、その後の分析や調査に簡単に使用できます。アンケートデータを活用する際、紙アンケートではデータを一度デジタルに変更する必要があり、手間がかかります。一方、Webアンケートでは集計したデータを直接活用することができます。また、ツールによっては集計時に分析を自動で行い、グラフの作成まで行ってくれるので、回収したと同時にデータの分析を完了することができます。

回答率アップのポイント

アンケート実施に伴い、最も焦点を当てるべきポイントは回答率です。 研修後のアンケートの回答率が低ければ、研修の正しい評価を行うことはできません。 ここでは、アンケートの回答率をアップさせるポイントについて紹介していきます。

設問は少なくする

アンケートに盛り込む設問は厳選し、設問の数をできるだけ減らすことで回答率アップに繋がります。あれもこれもと欲張り一度のアンケートで多くの設問を課している場合は、設問を優先度ごとに整理し、不要な設問は削除しましょう。設問を減らすことで回答者の回答の負担を減らすことができ、結果的に回答率アップへと繋がります。

名前は無記名

アンケートは無記名で行った場合の方が回答率が高くなります。無記名の場合、回答者は気軽にアンケートに回答することができます。また、個人データを管理している場合であれば、シングルサインオン連携などでログイン時のIDやパスワードで個人を特定し、表では無記名アンケートを実施し、裏で個人情報として結びつけ管理することもできます。

設問の文章は端的に分かりやすく

アンケート作成者は、端的に回答者に伝わるような文章を考えましょう。回答者の負担とならないためには、一回で質問の内容と意図を理解させる設問を作ることです。回答者の気持ちを考え、設問の文章を作成しましょう。

アンケートの明確な意図を明示

回答者に不信感を抱かせないためにも、調査の明確な意図が伝わるようにアンケートを作成しましょう。コミュニケーションと同じで、アンケートでは質問の意図を汲み取ることで、回答者はそれに応じた回答をすることができます。仮に、意図が不明瞭なアンケートでは、そもそも回答する必要がないのでは?と回答者が感じ、回答率が下がる恐れがあります。アンケート作成後、第三者にアンケートを行ってもらい、第三者の感じた意図と自身が想定していた意図で不一致がないか確認しましょう。

まとめ

受講者との物理的距離が生じるオンライン研修において、アンケートは重要なツールの一つです。効果的なアンケートを作成方法を理解し、オンライン研修をより良いものにしていきましょう。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

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