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ヒートマップでユーザー行動を解析!ツールやメリット・デメリットを紹介

Webサイトのアクセス解析に役立つヒートマップ解析ですが、具体的に何ができるのか、メリット・デメリットを知らない人も多いのではないでしょうか。ヒートマップ解析を活用すれば、他のWebサイト分析ツールでは見えなかったユーザーの視点を追って、UI改善を目指せます。今回はヒートマップについて、種類や他の分析ツールとの併用方法やおすすめのツールを紹介していますので、ぜひご一読ください。

WebMedia ヒートマップ画像

目次

ヒートマップとは

ヒートマップとは、ユーザーの目線やマウスの動きの情報を、色の変化で示したものです。多くのヒートマップツールは、マウスの動きやクリック地点のデータを可視化したもので、実際のユーザーの目線ではありません。しかし、ユーザーの目線とマウスの動きの相関性は80%と言われています。そのため、ヒートマップツールを用いることで、ユーザーが離脱しているポイントや長時間見ているポイント、クリックしている位置を視覚的に理解することができます。

ヒートマップ分析の種類

ヒートマップ分析には大きく3種類あります。

終了エリア分析

終了エリア分析とは、ユーザーがどこで離脱したのか、何%のユーザーがどこまで閲覧したかを可視化するツールです。終了エリアを可視化した画像を「スクロールヒートマップ」といいます。

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上の画像は、WebMediaの記事一覧のスクロールヒートマップです。

終了エリア分析では、画像やコンテンツの情報が適切であるかどうかを知ることが可能です。例えば、ページ上部の画像付近で多くのユーザーが離脱している場合は、画像の読み込み速度の遅さや画像とコンテンツ内容とのミスマッチが原因かもしれません。また、多くのユーザーがコンバージョン地点に到達していない場合は、コンバージョン地点をページ上部に移動するなどの施策が考えられます。

熟読エリア分析

熟読エリア分析とは、ユーザーがどの部分をよく閲覧しているのかを可視化するツールでpす。熟読エリアを可視化した画像を「アテンションヒートマップ」といいます。

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上の画像は、WebMediaの「IP制限とは?IP制限の基礎知識と設定方法」の記事のアテンションヒートマップです。

分析で赤くなっている部分は、ページ上部に配置するべきコンテンツです。もし赤くなっている部分がページの下部にある場合は、ユーザーの求めている情報がたどり着きにくい場所に配置されていることになります。

クリックエリア分析

クリックエリア分析とは、ユーザーがどこをクリックしたのかを可視化するツールです。クリックエリアを可視化した画像を「クリックヒートマップ」といいます。

IP制限 クリックエリア_2664x1376
上の画像は、WebMediaの「IP制限とは?IP制限の基礎知識と設定方法」の記事のクリックヒートマップです。

クイックエリア分析では、ユーザーがより詳しく知りたい情報を知ることが可能です。より多くクリックされているリンク先のコンテンツの質を改善したり、表示位置を変えるなどの施策を行うことができます。例えばECサイトなどで、リンクのついていない画像がよくクリックされている場合は、画像を拡大したい、詳細を見たいといった欲求があると予想できます。ですので、画像を拡大表示できるようにしたり、画像の内容に関する詳しい情報を追加するなどの改善策を考案する重要な根拠となります。

ヒートマップのメリット

ヒートマップのメリットは主に2つです。

ページ単位でどこを改善するべきかがわかる

1つ目は、ページ単位での課題を割り出せる点です。ユーザー行動が可視化できるので、ページのどこに改善点があるかを知ることができます。ヒートマップ分析であれば、ページ内のどこで離脱が多く、どこが多く閲覧されているかがわかるので、具体的な改善点がわかります。

例えば、Googleアナリティクスなどでは、離脱率の数値データはわかりますが、何割のユーザーがページのどこまで読んでどこで離脱したのかを知ることはできません。ですが、ヒートマップ分析であれば離脱ポイントと各地点の離脱割合を確認することができます。

ユーザビリティの高いWebサイトに改善できる

2つ目は、ユーザーの知りたい情報を知ることで、ユーザーがほしい情報にたどり着きやすいWebサイトにできる点です。ユーザーの目線を追うことで、どの情報をページの上部に設置するべきか、どのコンテンツを充実させるべきかがわかります。

例えば、クリックエリア分析で画像がクリックされていれば、ユーザーはその画像の内容をより詳しく知りたいと思っていることがわかります。よくクリックされるリンク先や、ユーザーがよく閲覧している部分の情報を充実させて、多くの人の目を引くようにページの上部に移動することで、ユーザーの満足度を向上させることができます。

ヒートマップのデメリット

ヒートマップのデメリットは主に2つです。

解析結果の原因を突き止める必要がある

1つ目は、ヒートマップで判明する問題点は、あくまで仮説であるという点です。そのため、その仮説が正しいかどうかを、一定期間PDCAサイクルを回して検証しなければなりせん。仮説の検証にはABテストやGoogleアナリティクスなどによる長期的な効果策定が必要です。ヒートマップ分析を行う際には、必ず効果測定も併せて行いましょう。

正確なユーザーの心理がわからない

2つ目は、ヒートマップ分析はあくまで行動データであり、ユーザーの意図や心理を解析することはできない点です。たとえば、熟読エリア分析で商品情報の部分が赤いからといって、商品情報を閲覧している際や閲覧した結果のユーザーの感情が必ずしもポジティブだとは限りません。そのため仮説の効果測定は、アクセス解析やユーザーテストなどで多角的に行うことが重要です。

ヒートマップのツール4選

では、ここからWebMeidaが厳選するおすすめのヒートマップツールをご紹介します。

Ptengine

「Ptengine」は世界180ヵ国、17万以上のユーザーにサービスの提供実績のあるデータプラットフォームです。ユーザー体験(UX)を向上指せるためのヒートマップ分析やABテストツール、リアルタイム分析、マルチデバイス対応だけでなく、サポートサイトなども無料で利用できます。無料版以外にも4つの料金プランがあり、チャットや電話によるサポートやセグメント機能、ヒートマップとABテストツールの連携なども可能です。

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Ptengine

MIERUCA

「MIERUCA」は、世界で1,500社を超える企業が利用する、SEO対策ツールとコンテンツマーケティングツールを提供しています。ツール導入後も導入トレーニングやセミナー開催、動画マニュアル公開などがされているので、安心してツールを利用できます。ヒートマップツール以外にも、自動SEO解析ツールやSEOキーワード調査ツール、検索ユーザーニーズ調査、コンテンツコピーチェック機能の他、Webサイト改善を便利にするツールを提供しています。

無料トライアルも実施していますので、興味のある方は試してみてください。

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MIERUCA

User Insight

「User Insight」は、日本を代表する企業に多く導入されているアクセス解析ツールです。料金は有料ですが、ヒートマップ解析以外にも以下のような分析ツールが利用できます。

  • ユーザー属性解析
  • 組織分析
  • リアルタイム分析
  • EFO(入力フォーム最適化)分析
  • 広告効果測定
  • スマートフォン・携帯分析
  • 検索キーワード分析
  • 大規模サイト分析


また、公式サイトにはアクセス解析ツール全般やUser Insightに関する用語集もあります。

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User Insight

SiTest

「SiTest」は、40万サイトを超える導入実績のあるWebサイト分析ツールの提供やコンサルティングを行っています。ヒートマップ解析以外にはABテストやEFO(エントリーフォーム最適化)、レポーティング機能、AIリターゲティング機能のサービスを展開しています。

ABテストでは、コーディングなしでテストパターンが作成でき、テストの実行条件を設定することが可能です。さらに、EFOでは、ユーザーの入力ミスに対して瞬時にエラーを表示する入力支援機能などでユーザーの離脱率を減らし、成約率を向上させることができます。レポーティング機能ではこれらのツールの結果から課題を発見できるので、分析結果をより手軽に活用できることがSiTestの魅力です。

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SiTest

まとめ

今回はヒートマップについてメリット・デメリット、おすすめのツールを紹介しました。ヒートマップはユーザーの目線を可視化して、Webサイト改善への糸口の発見をサポートします。他のマーケティング手法と組み合わせることで、より効果的にユーザビリティやCVRの向上を目指しましょう。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。