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学会運営方法まとめ・オンライン学会システムとは?

学術大会や学術大会を企画・運営する際、どのような流れで開催準備を進めるのか分からない、といったことはありませんか?またコロナ禍において、学会のオンライン開催やハイブリッド開催を検討するケースも増えているかもしれませんね。今回は、会場のみで開催する場合の学会運営の流れと、学会開催システムを導入した場合にオンライン化できる作業などをご紹介します。

オンライン学会について

目次

「学術大会」とは?

そもそも「学会」とは何を指すのでしょうか?学会に所属している方であればご存知かと思いますが、本記事での「学会」の定義を一度まとめます。

  • 学術研究を目的として設立された団体のことです。研究の成果を発表したり、研究者同士で意見や情報を交えたりする場を提供する役割があります。また、学会独自の専門誌を発刊することもあります。
  • 学術大会のことです。「学術集会」と言われることもあります。学術大会は、組織としての「学会」が提供する研究発表会や研究者の交流の場のことです。例えば、研究内容についての講演会やシンポジウム、ディスカッションを指します。また、規模の大きい集会や大会は「コンベンション」と表現されることもあります。

以下でご紹介する学会運営の流れや、システムを導入した場合の学会運営についての「学会」は学術大会を指します。

学会の企画・運営の流れ(会場開催)

会場のみで開催する場合の学術大会では、どのように企画・運営を進めていくのでしょうか?開催予定日から遡り、各時期ごとに行う業務や作業内容を確認していきましょう。

2~1年前:実行委員会の発足・資料収集

まずはじめに、学術大会を企画・運営する実行委員会を発足します。実行委員長やプログラムの決定を行うプログラム担当、公式Webサイトの公開やパンフレットの発行を担う広報担当、収支決算書などを作成する会計担当など必要な役割を分担し、担当メンバーの決定も行います。

また、学会資料を参考にして開催場所の決定、学会開催予算案や開催日までの予定表の作成を行いましょう。
開催場所を決定する際には、ホテルや駅などからアクセスしやすく、会場設備が充実している場所を優先的に検討することをおすすめします。会場によっては、利用日の数か月前から予約を開始するところもあるため、予約を忘れないようにしましょう。

~1年前:公式Webサイト公開・広報業務の開始

公式ホームページは、学術大会の運営において大切な役割を果たします。具体的には以下のような詳細情報を掲載すると、集客や演題応募に繋がります。

  • 学会の主題、開催日、開催場所、参加費など
  • 学会内外からの演題応募受付方法、募集要項など
  • 学会についてのお問合せ先

実行委員会内での公式Webサイト作成が技術的に難しい場合には、Webサイト制作会社やフリーランスなどの専門業者に依頼することも有効です。その他の広報業務としては、以下のようなものがあります。

  • 学術大会のポスターやパンフレットのデザイン作成、印刷依頼先決定
  • 学会用封筒の作成
  • 協賛、広告募集(公式Webサイトでの掲載も有効)

6ヵ月~4ヵ月前:参加者申込受付・会場下見

開催予定日の約半年前から、当日の参加応募の受付を開始します。参加者名簿や名札作成などを同時に行うと、開催日直前の負担が軽くなります。また、演題の応募期間も開催予定日の6ヵ月~4ヵ月前に2か月間ほど設けましょう。

会場の下見では、近隣のホテルや駅からの交通状況、会場の設備(マイク、プロジェクター等)の確認を行います。また、当日の学会運営を想定して会場内を実際に移動し、導線を確認します。

~3ヵ月前:プログラムや抄録集の作成・発送

演題の募集を締め切り、演題ごとに実際に学会で取り扱うかどうかを決定します。扱う演題が決定した後は、当日のプログラムを作成する必要があります。プログラムには当日のタイムスケジュールだけでなく、会場までのアクセス方法や大会中の日程を記載します。これは、参加者が公共交通機関やホテルの予約、旅程の決定を円滑に行えるようにするためです。

抄録集は参加者や演者だけでなく、来賓・協賛団体などにも忘れずに送付しましょう。また演者には、当日の発表方法や会場設備についての案内を同封しておくと、当日の混乱を防ぐことが出来ます。

~1ヵ月前:打ち合わせ・リハーサル

当日は、実行委員会だけでなく会場のスタッフや演者など多くの人が動きます。開催予定日の約1ヵ月前には、学会開催に携わる方々と最終の打ち合わせやリハーサルを行いましょう。また、当日プログラムに沿った確認だけでなく、会場設備や配布資料、参加者の名札などの必要な備品のリストを作成しておきましょう。

リハーサルでは、当日に来賓や演者が使用する控室や受付の位置、スタッフの配置図、音響・照明などを確認し、当日のプログラムにあわせて動きます。問題があれば、開催予定日までに出来るだけ改善します。

当日:受付・時間管理や撤収作業

当日は、マイク・プロジェクター等の機材配置、看板・受付ブースの設置、天候に合わせた備品の用意など、最終的な会場設営を行います。また、スタッフや実行委員会を集めて直前の打ち合わせも行いましょう。当日に欠席するスタッフがいる場合は、スタッフ配置図や各業務を見直して柔軟に対応します。
受付業務を開始した後は、円滑に受付が行われているか、会場内への案内係が足りているか、進行が遅れていないか、などに注視します。問題があれば迅速にスタッフを移動させ、プログラムの進行に遅れが生じないようにしましょう。

学会の閉会後は、使用した会場の撤収期限に間に合うよう、スムーズに片づけや掃除を行います。片づける際は、備品が会場の所有品か学会から持ち込んだものかを間違えないように注意します。この際、準備に使用した備品リストと照合して確認すると間違いを防ぐことが出来ます。

終了後:収支決算書の作成、反省会

学会の終了後には、協賛企業や来賓、演者の方々に礼状を速やかに送付します。予め送付予定者リストを作成しておくと、円滑に業務を進めることができます。

議事録や収支決算書の作成も出来るだけ早く行いましょう。収支決算書は、当日に支払われた参加費や援助金の集計、新しく購入した備品の金額、会場の使用料金などを細かく確認し作成します。

また、学会の終了後は実行委員会内で反省会を行います。改善点や良かった点を記録としてまとめ引き継ぐことで、次に開催する学会をより良いものにすることができます。

オンライン学会システムを導入した場合

ここまで、学会を会場のみで開催する場合の運営の流れをご紹介しました。しかし昨今では、オンラインやハイブリッド形式での開催のニーズが高まっています。そこで学会開催システムを導入した場合、運営業務はどう変化するのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

なお、今回は導入するシステムの例として、ITRA株式会社が開発した研修運営システム『manaable』(マナブル)を挙げています。

~6ヵ月前:申込受付・参加者管理

学会開催予定日の約6ヵ月前には、一般の聴講参加者の応募を開始します。参加者の申し込み受付をGoogleフォームやメール等を用いて行うことも可能です。しかしオンライン学会システムには、参加者の一覧表示機能や参加費の管理機能などを備えている場合があり、より円滑に参加者の管理を行うことができます。また、研修が始まる前までに研修情報に変更があった場合や参加者から問い合わせがあった場合にはオンライン上ですぐに確認・対応ができます。

manaableでは、参加可否を「抽選」「先着順」のいずれかの方法で決定することができます。任意で「キャンセル待ち」を有効にするかどうかも変更できるため、学会の規模や運営方法に合わせることができます。また、演題を提出した参加者の参加可否を設定することができます。
参加者はマイページから簡単に自身の住所やメールアドレス等を変更できるため、応募後に引っ越しをした場合でも住所変更届などを提出する必要がありません。

~4ヵ月前:参加費の管理

またシステムによっては、参加費の管理機能を備えていることもあります。参加者や参加費の管理をオンラインで行うことで、未払いの参加者や参加辞退者などを一覧で見ることができます。

例えば『manaable』では、参加者のグループごとに金額を設定することが可能です。例えば、学生は1000円・学会外からの参加者は5000円、など学会別に参加者のステータスによって参加費を設定することができます。 また、参加費を銀行振込・カード決済・コンビニ決済のいずれかの方法で支払うことが出来ます。お⽀払いが完了するとすぐにmanaableに反映されるため、銀⾏へ確認に⾏く必要がありません。

~3ヵ月前:演題の登録・管理

オンライン学会サービスでは、演題の管理を行うことも出来ます。参加者が自身の演題を登録し、期限までは修正や提出の取り消しができるため、実行委員会とのメールや郵送での連絡を簡略化することができます。また、出演の決定した演者が当日に使用する発表データや音声資料などを登録することもできます。

当日(会場開催):非接触での受付

会場開催では、学会の開催当日に受付ブースにて氏名を記入したり名刺をいただいたりする場合があります。コロナ禍における感染症予防策として、事前に参加者に送付したバーコードを読みこむことで受付を完了するシステムもあります。また、氏名を記入した名簿と作家予定者名簿を照合する手間が省略できるため、受付業務をより円滑に進めることができます。

『manaable』では、会場開催やハイブリッド形式での学会に対応したQRコードの発行機能を備えています。会場内にQRコードを設置することで、参加者が自身の端末で読みとって受付を済ませることができます。

当日(オンライン開催):Web会議ツールとの連携

学会をオンラインで開催する場合は、演者がリアルタイムで映像を配信する「ライブ形式」と、録画された動画を参加者が好きな時間に視聴する「オンデマンド形式」があります。オンライン開催では、Zoom、Microsoft teamsなどのWeb会議ツールを利用することが多いです。オンライン学会システムを導入すると、ZoomなどのWeb会議ツールと連携し、参加者や演者がマイページから直接参加することができます。

『manaable』では、オンライン会議ツール「Zoom」や「Webex」と連携することができ、受講者の出席時間を自動で取得することが可能です。また、事前に研修参加の出席条件(研修時間のうち何%の時間を出席した場合に出席とするか)を設定しておくことで、出席条件を満たした参加者を自動的に出席扱いとすることができます。

終了後:アンケート管理

また、アンケートをオンライン上でとることによって、当日の紙やペンなどの備品の用意や回収の手間を省くことができます。アンケート用紙を配布する必要もないため、感染症対策にも有効です。また、アンケートと連携できるシステムがあれば、ほとんどの場合、自動での回答集計や結果のグラフ化などを行う機能が備わっています。

『manaable』では、学会ごとにアンケート内容を自由に設定することができ、学会の内容にあったアンケートにすることが可能です。また、学会開催後だけでなく事前アンケートを実施することもできるため、参加者の移行に沿ったプログラムを作成できます。

研修運営サービス『manaable』とは?

これまでご紹介した『manaable』は、オンラインでの学会開催を円滑に進める機能が充実しています!
ITRA株式会社が開発・運営する『manaable』(マナブル)では、申込から決済、受講、アンケートや課題提出まで、研修運営で必要な機能をすべて備えています。以下の画像は、研修の開催から受講後にかけてmanaableで行えるステップです。

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団体申込・団体支払が可能!

manaableでは、個人単位だけでなく団体での参加申し込みを行うことができます。例えば、1つの大学のゼミが団体申込をした場合、ゼミの所属員として登録している方は自動的に参加申し込みが行われます。また、団体ごとに参加費を支払うことも可能です。団体代表者は団体員の学会参加状況(未受講、受講済みなど)を把握することができます。

一部機能をご紹介します。

manaableは体験版もあるため、学会を開催する際にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

今回は、学会運営の流れや、オンライン学会システムを導入した際に変化することをご紹介しました。学術大会の運営方法は学会内で引き継がれることが多いため、資料が残っている場合は参照しながら企画を進めていくことをおすすめします。また、この記事を参考にして、ぜひオンライン学会システムの導入を検討してみてくださいね。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

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